「うちの会社もそろそろシステムリプレースを考えなきゃなあ」
「やりたいけど、何をすればいいのかが分からない...」
システムリプレースという言葉を聞いたことがあっても、実際に何をどうしていけばいいのかが分からなくて、手が付けられないまま今に至っている...という企業は少なくありません。
この記事では、次の事柄について解説します。
● システムリプレースとは
● システムリプレースのパターンとポイント
● システムリプレースを進めるときに考えておきたいこと
この記事を読むことで、システムリプレースの概要が理解でき、実際にどういうやり方で進めるのが効果的なのかを把握することができるようになるでしょう。
ぜひご一読ください。
そもそもシステムリプレースとは何を意味しているのでしょうか。
ここではシステムリプレースの意味と目的、システムリプレースの3つのパターンについて、それぞれ解説していきます。
システムリプレース(リプレイス)とは既存システムを現行業務に合わせたり、今後の会社の事業展開をスムーズに進めていけるよう新しく作りかえることを指しています。
IT業界は日進月歩なので、システムやソフトウェアはあっという間に時代遅れのものになっていきます。
適切なタイミングでのシステムの見直しとバージョンアップが必要になるのです。
システムリプレースの理由としては次のようなものが挙げられます。
● 会社の事業が拡大したことで、既存システムが現状に合わなくなってきた
● 今後の事業戦略を考えたときに、戦略的にシステムリプレースする必要がでてきた
● システムが老朽化していて事業を継続するのが難しくなりそう
● 保守ができる会社や担当者が不在となり、何かあったときの対応に不安がある
このように、故障や破損などのトラブルが起きていなくても、単純に「このシステムでは古い」という理由からリプレースが必要になることもあります。
また、会社の事業拡大は扱うデータ量の増加も意味します。
数年前には何の問題もなかったシステムが現在の会社の状況にはそぐわなくなっているということも十分に考え得るのです。
ハードウェアとしてのコンピューターの高速化が進み、ソフトウェアとしてのシステムが処理能力不足となり、動作不安定になったり負荷増大することもあります。
昨今では特にグローバルネットワークの進歩発達が著しいなか、セキュリティ問題に十分に応え得るシステムなのかどうかについてもシビアに検討していく必要がでてきています。
実際にシステムリプレースを検討するには、主な方法として次の3つがあります。
● 全面的に移行する方法
● 部分的、段階的に移行する方法
● 並行して移行する方法
それぞれの内容とメリット、デメリットをご紹介していきます。
システムリプレースの方法として一番シンプルでわかりやすいのが全面移行する方法です。
要は現行システムの総入れ替えなので、現行システムでの問題点が一挙解決し、大きな手間がかからないのが魅力です。
しかしこの方法には、移行時にシステムの全面停止が必要となり、会社の業務が全て停止するという問題があります。
システムの全面停止が会社の業務停止を意味するのであれば、会社の長期休暇中にシステムリプレースを行うなど、時期やタイミングを検討する必要があります。
また、移行そのものに時間がかからなかったとしても、システムを扱っているスタッフの皆さんがこれまでのシステム同様に新システムになじみ、ストレスない運用が出来るようになるまでには多少時間がかかるはずです。
システム稼働率だけでははかれない部分の稼働率についても予測しておく必要はありそうです。
現行システムの問題ない部分は残しつつ、問題が生じている部分だけリプレースする方法です。
現行システムをストップさせる必要がないので安全が守られ、リプレース後のトラブルが少なくて済むのがメリットです。
しかしこの方法は、残す部分と置き換える部分の連動を確認しながらの作業になるため時間と手間がかかります。
また、トラブルの場面でも連携部分のどこに問題が起きているのかを見極めなければならない分、時間と手間がかかります。
システムリプレースがスムーズに進んだとしてもトラブルが起きたとしても、コストアップのリスクをはらんでいるので難しい部分が多いのですが、現実的には全移行するのが難しい企業がほとんどなので、この方法が一般的でもあります。
最後にご紹介するのが、現行システムと新システムとを並行稼働させながらリプレースする方法です。
しばらくの間新旧両方のシステムを稼動させ、リプレース時に起きる業務停止リスクを避けられる点、新システムでのトラブル発生時のリスク回避という点でメリットがあります。
当然ですが、2つのシステムを並行稼動させるのでコストがかかります。
並行させている間は新旧両方のシステムをうまく連携させ、業務上でのトラブルを生じさせないようにする必要があるのも現場ではストレスになるかもしれません。
リスクとデメリットは少ないのですが、この方法でリプレースを検討する場合は、新システムに全面移行するまでにどれぐらいの時間や手間がかかるのかをできるだけ正確に把握したうえで検討していくことが大事です。
システムリプレースは何かトラブルがあるから実施するものではなく、現行システムの処理能力不足や将来的に起きるであろう問題の回避のために行うという目的があります。
どの部分を置き換え、どの部分を残し、どのくらいの時間やコストをかけて行うのがいいのかなど、十分に検討し、システムリプレースを成功させなければなりません。
ここでは特に注意したいポイントを2つご紹介します。
リプレースすることで何を実現したいのかをしっかりと検討しておくことが大切です。
現状の不足を解消するだけでリプレースが完了する場合もありますが、会社としての将来的な戦略をもってシステムリプレースに取り組もうとするならば、システム上のアプリケーションやプログラミング言語だけを乗せ換えるような内容ではリプレースの意味をなさなくなります。
現状そして今後のビジネスにおいて最も必要とされているものが何かを考え、何を実現していくのかを具体的な項目として落とし込んでいくことが肝心です。
システムリプレースを検討するときに、最初から多くの予算が組めないケースは少なくありません。
これはシステムリプレースのもつ意味が先行投資的であることが多く、投資効果を明確化するのが難しいからでもあります。
検討中にIT環境の変化や社内の経営状況の変化が進むため、あまり長期でものを考えすぎると、いつまでたってもシステムリプレースに取り組めないということになりかねません。
中長期での社内システムがどうあるべきかを見据えつつも、段階的なリプレースを検討した方が経営環境の変化に柔軟に対応できそうです。
この記事では、システムリプレースとは何か、また、システムリプレースのパターンや、システムリプレースを進めるときに考えておきたいことについて解説しました。
会社にとってシステムリプレースが何を達成するために実施するべきなのかを十分に検討し、中長期的視野をもってシステムリプレースに戦略的に取り組んでいくことは現代社会においては絶対不可欠です。
効果的なシステムリプレースが実施され、会社のますますの発展に結びつけば幸いです。