企業内で新たにシステムを開発する必要が生じたときには準備すべきことがあります。
準備がおろそかだと、その後の開発作業がスムーズに進まなくなることもありますから、しっかり対応しておくことが重要です。
そこで、システム開発前にする準備をまとめたので、参考にしてください。
システム開発の準備をどのような流れで行うべきか、確認しましょう。
システムの開発に当たって、まず自社が抱える課題を洗い出してみましょう。
例えば、次のような課題が考えられます。
課題を洗い出すことで、どのようなシステムを開発したらいいのか、方向性が見えてくるでしょう。
自社の課題を洗い出したら、システム開発の目的を定めます。
どのようにシステムを開発すれば、自社の課題が解決するのかを考えるのです。
次のような曖昧な目的設定はよくありません。
システム開発の目的を明確に定めることで、開発すべきシステムがはっきりとイメージできるようになります。
システム開発にはかなりの費用がかかるので、予算の目安を決める必要があります。
ここでも、下記のような曖昧な基準を設けてはいけません。
このような設定では、適切なシステム開発ができなくなります。
配分すべきスタッフの数も決められないし、装備すべき機能をどの程度にすべきかもわからなくなってしまいます。
そこで、次のように具体的な予算を考えてみましょう。
予算が明確に定まれば、今後どのようにシステムを開発できるのか、計画も立てやすくなるでしょう。
上限を決めるのは、追加費用対策です。
上限がないと、ドンドン予算を超過することになりかねませんから、支払える範囲をしっかり定めておかないといけません。
予算を決める際は、システム開発に対するものだけでなく、運用や保守にかかる費用も計算しておきます。
システムは開発して終わりではなく、その後運用・保守をしなければいけません。
運用・保守をしっかりしないと、システムが稼働しなくなることがあり、企業にとっても大きな損失を生みます。
そのため、運用・保守の費用も考えておかないと、後で困ることになりかねません。
運用・保守の費用の目安としては、月額の費用はシステム開発の5%程度です。
500万円で開発したシステムなら月25万円、年額換算すると300万円です。
システム開発をする際は、開発までのスケジュールを定めておかないといけません。
ここでも曖昧なスケジュールを提示しないようにしたいところです。
「なるべく早く」「いつでも構わない」「決めていない」というのでは、システム開発する方も計画を立てにくくなります。
「3ヵ月以内にポータルサイトを作りたい」「2024年4月1日までに予約システムを用意したい」のように具体的な目安を示すことで、開発作業もスムーズに進みやすくなります。
もちろん、設定したスケジュール通りに計画が進むとは限りませんが、期間の目安がないと、目標が定まりにくく、作業が遅れがちになることもあるでしょう。
システム開発は自社内で行うこともできますが、いくつか難しい課題があります。
まず、専門的なスキルを持った人材が必要ですが、これがうまくできないことがあります。
次に、開発がスケジュール通りに進まずに余分なコストが発生することがあります。
大規模システムの場合、全体の管理ができる従業員も必要です。
システム開発後にエンジニアを持て余してしまうこともあるでしょう。
これらの課題がある場合は、システム開発を外注するのもおすすめです。
外注する場合は、いくつか準備すべきことがあるので、以下にまとめてみましょう。
システム開発を外注する場合は、依頼目的を明確にする必要があります。
その際は、次のような項目を整理しておきましょう。
依頼目的がはっきりしない状態で、開発会社に依頼すれば、「もう少し具体的な内容を教えてください」と言われます。
開発会社としても明確な目的が提示されて初めて、開発計画を立てられます。
準備の段階では詳細な目的までは説明しなくてもいいですが、ある程度はまとめておきましょう。
システム開発を外注するのなら、システム開発会社を選ばなければいけません。
システム開発会社といっても様々なところがあり、得意不得意も皆違います。
過去の実績も異なります。
そのため、自社のニーズに合ったところを選ぶようにしないと、期待通りのシステムが開発できないケースもあるでしょう。
そこで、システム開発会社を選ぶポイントを紹介します。
システム開発を開発会社に依頼するときは、2つの契約形態があります。
請負契約と準委任契約です。
請負契約では、開発会社が成果物を納品し、発注側が検収を済ませた段階で報酬を支払うことになります。
請負契約の場合は、発注者側が成果に対して満足するという条件がつきます。
請負契約になじみやすいのはウォーターフォール型です。
ウォーターフォール型では、企画の時点で仕事が完成されることを前提にしているので、請負契約にあった手法といえます。
準委任契約は業務を遂行した時間に対して報酬が支払われ、仕事の完了や品質の満足感に対する責任はありません。
準委任契約を結ぶのはアジャイル型の場合が多いです。
アジャイル型では、開発途中で改善を行い、仕様の変更や追加が行われるので、成果物も変わりやすいです。
途中の労働時間も長くなりやすいので、準委任契約が好まれます。
以上、システム開発の2つの契約形態を説明しましたが、システム開発会社を選ぶ際は、依頼内容を明確にし、いずれの契約形態になっているか確認してからにしましょう。
ここまでの準備が整ったら、システム開発会社に見積もりをしてもらいます。
見積もりを依頼する際にポイントになるのがRFP(提案依頼書)の作成と提出です。
RFPは自社システムで必要な要件、実現したい業務、解決したい課題などをまとめた書類です。
RFPを明確にしておくことで、自社が希望するシステムに対する正確な見積もりをしてもらえます。
また、後のトラブルを防ぐ際にも役立つ書類です。
RFPを提出しない、あるいは内容が不十分であるなどの場合は、発注者と開発会社の間で認識のずれが生じ、見積もりと実際の工期や費用が異なってしまうことがあります。
システム開発会社に見積もりをしてもらう場合は、複数社を対象にしましょう。
その際は、同じ内容で見積もり依頼をするのがポイントです。
違う内容で見積もり依頼をしたのでは、いずれの開発会社の方が優れているのか比較できなくなります。
同条件で比較してこそ、提案力や金額の選択が正しくできるでしょう。
各社に見積もりをしてもらい、ここに依頼してみようという開発会社が決まったら、まず発注をします。
発注では、契約前のチェック→契約書の作成→契約書の締結へと進んでいきます。
契約前のチェックは入念に行いましょう。
プロジェクトのビジョンや各担当者の認識に不一致があってはいけませんから、以下のチェックリストを参考に確認します。
独立行政法人情報処理推進機構|情報システム・モデル取引・契約書(アジャイル開発版)
チェックリストの項目を必ず確認してください。
確認が不十分なまま契約してしまうと、担当者同士の認識が一致せず、システム開発が思うように行かなくなることがあります。
システム開発を外注する場合、開発会社から必ず聞かれる質問があります。
その質問に答えられるように準備しておきましょう。
システム開発会社から。開発することになるシステムの機能性について聞かれたら、次のようなことを答えます。
例えば、「複数人で同時にログインできる機能が必要」「問合せが来たときにすぐに顧客情報を抽出できる機能をつけてほしい」などです。
あらかじめ必要な機能と不要な機能を開発会社に伝えておくと、システム開発がしやすくなります。
システムの操作性について開発会社に聞かれたら、どのような人が使い、どのように使いやすいものを求めているのかを答えます。
操作性が明確になれば、開発会社もシステムのクオリティを決めやすくなります。
必要最低限でいいのか、高クオリティが必要かと言ったことです。
操作性については、システムを実際に利用することになる担当者にヒアリングをした上で、開発会社に伝えるといいです。
保守性とは、セキュリティ面の対策やトラブルが起きたときの対処法のことです。
システムにトラブルや不具合が生じたときに、原因を究明して、復旧作業を行うのは誰で、どのくらいの予算があるのかなどを開発会社に伝えておきます。
開発会社に対応をお願いするときは、その旨を伝えてから、開発作業をしてもらいましょう。
システム開発を行う際は最低限必要な知識があります。
どのような知識か、解説しましょう。
システム開発の技術について何も知らないで開発会社に全てを丸投げすることもできますが、できれば最低限の知識を備えておきたいところですよね。
開発会社と打ち合わせをするときに、その知識が役に立ちます。
技術に関する知識は社内のシステム担当者からも仕入れられるし、顧問やコンサルタントから学ぶという方法もあります。
システムの開発手法のトレンドに関する知識も得ておきたいところです。
世界で広く取り入れられている開発手法がウォーターフォール型で、近年トレンドになっているのがアジャイル型です。
それぞれの特徴を説明します。
ウォーターフォールは滝のように上流工程から下流工程まで流れるように進んでいく開発モデルです。
1つの工程が終わったら、次の工程に進みます。
ウォーターフォールのメリットとしては、工程ごとの進捗管理がしやすいこと、各工程の終わりに行う検証により次の工程にバグを持ち込まないことです。
ただ、工程が進むと後戻りができません。
そのため、後で上流工程に問題が見つかったときが大変で、大きなコストもかかります。
アジャイルは「素早い」ということですが、素早い対応ができるシステム開発モデルです。
特徴は、設計段階で大まかな仕様を決め、後で実装やテストを繰り返しながら仕様を変更することです。
ウォーターフォールモデルとは違い、後戻りしやすく、途中での仕様変更にも柔軟に対応できます。
デメリットとしては、最初の仕様設計が大まかなため、後でブレることがあること、また何度もテストを繰り返し仕様変更するので、スケジュールを管理しにくくなることです。
今回は、システムの開発をする際に準備すべきことをまとめてみました。
システム開発を内製で行う場合も外注する場合も、しっかり準備してからにしないといけません。
準備がおろそかなまま開発に入ってしまうと、失敗する可能性があります。
そのような事態は避けなければいけませんから、この記事の内容も参考に入念な準備をしておいてください。
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