オフショア開発失敗!?成功させるポイントを知りたいあなたに

2024/03/12
オフショア開発失敗!?成功させるポイントを知りたいあなたに_DIPROTECH

​オフショア開発を検討する方は皆、言葉の壁や管理不足から開発に失敗するのではないか、と心配になるのではないでしょうか。

オフショア開発の失敗事例はそのくらい多くあります。

本記事では、オフショア開発における失敗の原因、失敗事例について解説するとともに、成功させるポイントについてもご紹介します。

この記事を最後まで読めば、オフショア開発についての理解が深まり、成功させるポイントをつかむことができます。

ぜひご一読ください。

オフショア開発とは

​オフショア開発とは、システムの開発から運用保守にいたるまでを海外のシステム開発会社や子会社に外部委託することをいいます。

これはシステム開発にかかる人件費などのコストを大幅に削減するのが目的です。

日本にはまだまだ優秀なエンジニアが少ないということから、海外の優秀な開発会社に外部委託して開発を進めていきます。

IT産業の進化が目ざましく、優秀なエンジニアが数多く在籍するインドや中国、ベトナムなどの開発会社に外注するのが一般的です。

オフショア開発における失敗の原因

​失敗事例が数多く存在するオフショア開発ですが、一体どんなところから失敗につながってしまうのでしょうか。

失敗の原因の代表的なものについてご説明させていただきます。


原因その1:言語の壁がある

​オフショア開発を実施する場合、言語の壁によるコミュニケーション不足が開発失敗を招くことは、皆さんも十分予測しているのではないでしょうか。

オフショア開発では発注側と開発側で言語・文化・風習が違うので、積極的なコミュニケーションが求められます。

コミュニケーション不足は作られるシステムの品質を低下させることにつながります。

お互いに質問しあったり、疑問を解消していくことでコミュニケーションの円滑化を図るようにしましょう。

そのためにも積極的な関わりが必須となります。


原因その2:現地で何が行われているか把握できていない

​単なるコスト削減目的で海外の会社にシステム開発を委託するのでは、開発会社がどのようにシステムの内容を把握し、また開発していこうとしているのか、発注側からは見えにくく、また把握しづらくなってしまいます。

どのような過程でシステム開発が進められていたのかが分からなくなると、不具合の特定に影響が出て、削減したかったコスト以上のコストや時間がかかることになります。

また、システムの工程が把握できていないと対応が後手に回り、結果としてシステムユーザーからの信用を落とす可能性があります。

原因その3:相見積もりをとっていない

​そもそもシステム開発を外部委託するのであれば、相見積もりをとるのが基本です。

ひとことでシステム開発会社といっても、得意・不得意の差や、これまでの開発実績の差から、内容や金額が大きく異なることが多いからです。

ましてオフショア開発を依頼するのであれば、複数企業の比較なしで選ぶのはリスクが高すぎます。

比較せずに選び「思っていたより高額になってしまった」「自社の求めるシステムとかけ離れてしまった」などということになれば、時間とコストをかけた意味がなくなってしまいます。

自社にとって最適なシステムを構築するためにも、必ず相見積もりをとるようにしましょう。


オフショア開発によくある失敗事例

​せっかくのオフショア開発が失敗に終わった事例は多々あります。


自社のシステム開発に同様の失敗をせずに済むよう、よくある失敗の事例を3つ参考に挙げておきます。


ケース1:仕様設計内容が正確に伝わっていないケース

​オフショア開発では当然ながら、日本語で書かれた仕様設計書類を依頼先の国の言語に翻訳する必要があります。

この場面で誤った表現で翻訳されたり、あいまいで伝わりにくい表現で翻訳されていると、仕様書の意図するところが伝わらず、結果として依頼した内容とずれた形の成果物が完成するというケースがあります。

仕様書の内容がきちんと伝わる内容かどうかは、オフショア開発で意識すべき最低限のルールともいえます。

仕様書の意図が間違いなく伝わるよう、対応言語の翻訳が可能なプロの力を借りるなどして、問題解決に取り組みたいものです。

ケース2:国民性の違いで進捗管理がうまくいかないケース

​基本的に日本人は「勤勉でルールを遵守し時間に遅れたり約束を破らない」国民性を持っています。

そのため日本では、スケジュール通りに動き、納期を守るのはごく当たり前のことのように考えがちですが、国外では通用しないと考えておいた方がいい場合も多々あります。

相手の国民性によっては、時間にルーズなのがごく一般的な感覚であるため、納期遅れがむしろ普通、という国もあるほどです。

国民性の違いがリスクになるということを理解した上で開発工程を検討し、オフショア開発を進めていきましょう。

自分たちの常識と相手の常識が違うという前提のもとに、こまめなコミュニケーションを心掛けるといいでしょう。


ケース3:経済環境の変化をまともに受けてしまうケース

​世界には現在進行形で発展中の国があるのですが、このような国の場合、経済環境の変化から大きな為替変動が起こり、人件費が高騰することがあります。

オフショア開発の目標の1つが「コストの削減」であるにもかかわらず、想定外の価格高騰が原因で国内でシステム開発をした時と大差ない価格になってしまうおそれもあります。

依頼国の社会情勢や為替市場などをこまめにチェックし、依頼にかかるコストの変動とそのリスクを注意深く把握しながら、適切と思われるタイミングでオフショア開発に取り組む必要があります。


オフショア開発を成功させるポイントとは

​自国とは違う国民性や経済環境をもつ外国にシステム開発を依頼するオフショア開発を成功させるにはどのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。

特に大切な3つのポイントについてご説明します。


ポイント1:ルールを文書化して共有

​オフショア開発に関するルールを文書化して共有することが大切です。

ルールがはっきりしていれば、仕様設計書類に関する認識のズレを明確化できるので、そこから発生するトラブルを回避することができ、結果的にはより高品質なシステム構築ができる可能性が高くなるのです。

また仮に委託先の企業のデベロッパーが変更になることがあったとしても、文書があれば引継ぎの際に役に立ちます。

異国の開発者のためにも、翻訳家の方に適宜チェックを受けながら、対応言語で文書作成するといいでしょう。


ポイント2:積極的なコミュニケーション

​依頼先と積極的にコミュニケーションを取り、進捗管理を徹底することも重要なポイントです。

文化・意識の違いを埋めるためには、丁寧なコミュニケーションが肝心です。

最近は通訳アプリやビデオ会議用アプリなどの便利ツールもたくさんありますので、使いやすいチャットツールなどを用意して積極的にコミュニケーションを取りましょう。

オフショア開発の場合は特に「伝えたいことははっきりと」「指示は具体的に分かりやすく」を意識することで、成果物の品質が大きく変わります。

文化・風習の違いを理解しながら、トラブルが起きても的確に対処できるように意識しておきましょう。


ポイント3:相見積もりをとる

​オフショア開発では特に、複数のシステム開発会社から相見積もりをとるようにしましょう。

開発会社を十分に比較しないまま外注先を選ぶと、結果的に失敗するリスクは高くなると考えてください。

システム開発会社は国内にも数多くあります。

まして諸外国ならなおさらです。

システム開発は、その開発会社によって、対応できる業務範囲やかかるコスト、アフターサポートの有無やその内容が異なっています。

それらの内容を十分に確認せず、結果として自社で満足できないシステムを手に入れても意味がありません。

まずは自社に何が必要かをしっかりと検討し、自社に合ったサービスを提供する企業を比較して選びましょう。

オフショア開発を成功させるポイントとは_DIPROTECH


まとめ

この記事では、オフショア開発の失敗がどのような理由によって起こるのか、またその回避策としてどのようなことに気をつければいいのかについて解説してきました。

オフショア開発は諸外国にシステム開発を依頼していく仕組みのため、国民性の違いや文化慣習の違い、言葉の意味が十分に伝わらないなどの理由によって失敗する事例が多いことがわかってきました。

これらのポイントに気をつけながら、まずは複数企業に相見積もりをとることから始めてみましょう。

あなたの会社がよりよいオフショア開発を実現し、企業として発展していくことを心よりお祈りしています。

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